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第8回|世界的金融危機「ブラックマンデー」を考察する

2018.09.21

 

NYダウ市場最大の下落率を記録したブラックマンデー

 

第8回目では、史上最大規模の世界的株価大暴落を招いた金融危機の一つ「ブラックマンデー」について考察します。
おそらく世界史の授業でも学んだことがあるかと思いますが、「とりあえず株価が大暴落したんだな」「世界経済が危なかったんだな」ぐらいの感じだと思います。

ブラックマンデーとは、1987年10月19日(月曜日)にニューヨーク証券取引所を発端に起こった、史上最大規模の世界的株価大暴落のことを指します。ダウ30種平均の終値が前週末より508ドルも下落(△22.6%)し、世界恐慌の引き金となりました。この下落率は未だにNYダウ史上最大の下落率となっています。当然、その暴落を受けて始まった1987年10月20日の東京株式市場をはじめとする世界各国の市場にも影響を及ぼしました。

ちなみに、東京株式市場では20日前場のうちに取引が成立した銘柄は56しかなく、値付き率はたった5%でしたが、当時バブル経済が盛り上がっており、翌日21日は日経平均が2037円高(+9%)と急反発しました。これは上昇幅で当時の歴代1位になりますすごいボラティリティです。。

 

ブラックマンデーを引き起こした要因

 

しかし、これほどまでの暴落を引き起こした原因は一体何なのでしょうか。
大きな要因は下記の通りです。

・米国の「双子の赤字」の拡大(財政赤字と貿易赤字が共に赤字)
・1985年のプラザ合意以後のドル安(インフレ懸念)打開のために、ドルの金利引き上げ観測が広がったこと
・旧西ドイツの金利高め誘導を米財務長官が批判し、国際協調体制に綻びが見られたこと
・当時普及し始めていたコンピュータによる自動プログラム取引のアルゴリズム

特に、最後のコンピュータによる自動プログラム取引が大きな要因だと考えます。

当時、一定の値で損切りする自動売買のコンピュータが投資家の中で流行っていました。
ポートフォリオインシュアランス」と呼ばれるプログラム取引です。
ポートフォリオインシュアランスとは、将来におけるポートフォリオの価値が、一定の値を下回らないようにする運用手法のことを言います。簡単にいってしまうと、例えば株式相場が下落すれば株価先物を売り、さらに下落すれば追加で株式先物を売る、というものです。

要は、先物取引を利用して下落相場での損失を抑えるツールが、ポートフォリオインシュアランスなのです。
このアルゴリズムの下では、株価が上昇すれば先物でヘッジする比率を下げ、株価が下落すればヘッジ率を高める、という作業がコンピュータを使って自動的に行われます。
その結果、リスク回避のためのコンピュータの自動売買システムがより一層リスクを増幅してしまう結果となってしまい、「売りが売りを呼びまたその売りが新たな売りを呼ぶ」という形になったのです。

つまり、本来ポートフォリオ・インシュアランスは投資家の損失を最小化すると期待されていたのですが、その理論上の前提であった流動性を自ら食い尽くし、下落を加速させた結果となったのです。

 

ブラックマンデー鎮静化のための対策

 

その後、当時のFRB議長であるグリーンスパン議長が翌日即座に「混乱と緊張の沈静化に意味のある流動性を供給する」と緊急声明を発表し混乱と緊張の沈静化に向けた策を講じました。そして、FF金利をブラックマンデー前の7.25%から6.5%にまで引き下げ、市場に大量の資金を供給し、株価の下落を抑えました。

また、これをきっかけにそれまでストップ高ストップ安という値幅制限処置がなかった米国に、全銘柄が対象の「サーキット・ブレーカー」制度が導入されました。米国でのサーキットブレーカー発動の条件は、ある銘柄の株価が5分間で10%以上急落した際に、その銘柄の取引が5分間停止されるという内容です。またNYダウ平均株価が10%・20%・30%の暴落が起きた際には、全ての銘柄の取引が30分・60分・120分間停止されるようになっています。

日本では、1994年からサーキットブレーカー制度が導入され、先物価格が基準値に応じた一定の変動幅を超えて上昇または下落した場合、取引を10分間中断することとなっています。実際、東日本大震災や日銀によるマイナス金利政策の時に発動されました。

いかがでしょうか。
ブラックマンデーが起きた背景が少しでも理解いただければ幸いです。
また、当時はあらかじめ組み込まれたアルゴリズムによる自動売買が要因の一つでしたが、近年では自己学習をする人工知能を用いたAIによる投資も発達してきております。


今後、またブラックマンデーのような暴落が起きないとは言いきれません。
まさにこういう時こそ、ウォーレン・バフェット氏の

“Be fearful when others are greedy and greedy when others are fearful.”
(みんながどん欲な時に恐怖心を抱き、みんなが恐怖心を抱いている時にどん欲であれ。)

という格言が響きますね。

 

つまり、投資においては「群集心理を避けること」が重要なのです。
コンピューター、ロボットに全てを任せるのではなく、適度に利用しながら自分で判断して売買を行うことを心掛けたいです。

 

 

 

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